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渡瀬康英死亡原因はストレス過多!「私的な内容の公表を恐れてか」兵庫県知事パワハラ問題

兵庫県の斉藤元彦知事がパワハラなどの疑惑を告発された問題で告発した兵庫県の元県民局長が死亡したと報道されました。

死亡した兵庫県の元県民局長(60)の名前や死亡原因(死因)、私的内容などについてみていきたいと思います。

目次

元県民局長は渡瀬康英(わたせ やすひで)

元西播磨県民局長の名前は渡瀬康英(わたせ やすひで)さんです。1986年頃に渡瀬康英(わたせやすひで)さんは兵庫県庁に入庁(公表されていない)し、2021年兵庫県西播磨県民局長に就任しています。

渡瀬康英(わたせやすひで)さんが所属していた兵庫県西播磨県民局は、西播磨県民局に関する情報のほか、管内で実施されている事業に関する情報などを掲載しています。

所管地域:相生市、たつの市、赤穂市、宍粟市、太子町、上郡町、佐用町

2024年3月末で渡瀬やすひでさんは退職予定でしたが、告発文問題で退職できず、3月27日に県人事課が西播磨県民局長を解任(降格)し総務部付としています。

その後、5月7日に県が「文書の核心的な部分が事実ではない」などとして元県民局長の渡瀬氏を停職3カ月の懲戒処分にしています。

渡瀬康英(元西播磨県民局長)の死因はストレス過多

死亡した元西播磨県民局長の渡瀬康英さん

渡瀬康英(元西播磨県民局長)さんが7月7日に亡くなりました。報道では自殺といわれています。なぜ、渡瀬氏が自殺することになったのか経緯は以下のとおりです。

百条委員会が6月14日に第1回会合、27日に第2回会合が開かれ、いよいよ7月19日に証人として元県民局長に出席を求めることが決まりました。ただ、そこで彼(元県民局長)のパソコンに残っている他の文書まで開示しようとする動きがあったのです

百条委員会とは地方自治法100条に基づく調査特別委員会

「元県民局長の他の文書を開示しようとした」とあります。そのため、渡瀬氏に過剰なストレスがかかっていたことが想像できます。

渡瀬康英のプライベート内容は人事にかかわる県職員の内部情報だった

元西播磨県民局長の渡瀬康英さんの他の文書がどのような内容だったのでしょうか。

現職の県職員(後輩)の内部情報(個人情報)

AERAdot.によると、元県民局長と連絡を取っていた元県幹部が以下の発言をしています。

「公用パソコンを私的に使ってはいけないのは当然ですが、緊急なことや個人的なメモを残すなどは、誰しもあるはずです。彼は県民局長という立場で部下も多数おり、様々な情報に触れ、対応する立場にあった。内部告発に関する情報提供者の割り出しや報復人事などを気にしたのではないか。私も幹部だったからわかるが、部下の不祥事や、表に出ると県政が大混乱するようなトラブルなどがあり、事情があって秘密裡に対応したこともあった。そういう内容は公用パソコンに残している場合もある。彼も同様の経験があったようで、『表に出ると頑張っている県職員の人事にもかかわり、迷惑をかける』と言っていた。だから自費で弁護士を雇ってまで、パソコンのデータを出さないように求めたのだと思う」

このことから、元県民局長の渡瀬氏のプライベート情報(私的な情報)とは、「現職の県職員(後輩)の内部情報(個人情報)」だった可能性が高いです。

また、渡瀬康英さんに対する県からの処分理由からも職員の内部情報だった可能性を裏付けるものがありました。渡瀬氏の処分理由は以下のとおりです。

令和6年3月、知事や一部の幹部職員を誹謗中傷する文書を作成・配布し、多方面に流出させたことで、県政への信用を著しく損なわせた。

平成23年~28年にかけて人事課管理職時に、業務の目的外で人事データ専用端末を使用して特定の職員(1名分)の顔写真データを2回表示・撮影し、又は顔写真データを1回コピーして、そのデータを公開PCに保存し、人事異動の際には、そのデータを自宅に持ち帰った上で異動先の公開PCに保存することによって、業務上の端末を不正に利用するとともに、個人情報を不正に取得し持ち出した。

平成23年から14年間にわたって、勤務時間中に計200時間程度、多い日で1日3時間、公開PCを利用して業務と関係のない私的な文書を多数作成し、職務専念業務等に違反した。

令和4年5月、次長級職員に対して人格を否定する文書を匿名で送付するハラスメント行為を行い、当該職員に著しい精神的な苦痛を与えた。

渡瀬氏の処分理由(Xより)

渡瀬康英さんの処分理由から、渡瀬康英さんのプライベート情報の内容とは以下2点からもうかがい知ることができます。

  • 人事課管理職時代に顔写真データなど個人情報の取得
  • 次長級職員に対して人格を否定する文書を匿名で送付

    このことからも、渡瀬康英さんのプライベート情報の内容とは、「人事にかかわる県職員の内部情報(個人情報)」だったといえるのではないでしょうか。

    渡瀬康英さん自身の私的内容

    維新・掘井健智衆院議員

    日本維新の会の掘井健智(ほりい けんじ)衆院議員が街頭で質問を受けた市民に渡瀬氏のプライベート情報を暴露している発言から、人事にかかわる県職員の内部情報(個人情報)以外も含んでいた可能性があります。

    「えらいもんが出てきた。彼(元県民局長)の(交友関係のプライベートな)データがいっぱい出てきたわけ。それでお前、何しとんねんってなった」

    AERA.dot

    堀井議員は渡瀬康英さんのプライベート情報とは、「渡瀬氏の交友関係のプライベートなデータ」といっています。渡瀬康英さん自身の本当にプライベートな情報が含まれていたのかもしれませんが、真実かどうかは不明です。

    百条委員会で渡瀬氏のプライベート情報は開示しないと決議されていた

    そもそも百条委員会は、元西播磨県民局長わたせやすひでさんの告発文に記載されている7項目の内容の真偽を確認するために設置されていました。

    しかし、関係のない資料の開示を求める動きが維新の会県議からあったといいます。「プライベート情報を開示しようとした維新県議2名特定!」をお読みください。

    それで、元県民局長渡瀬氏の代理人が県人事課と百条委員会にプライバシーに関わる資料については十分に配慮するよう申し入れました。

    この時、元県局長の渡瀬氏は自身のプライバシーの内容を公表されることを恐れ、ナーバスになっていたようです。

    維新の掘井けんじ衆議院議員が街頭で質問を受けた市民に、元県民局長の渡瀬康英さんが亡くなった理由についても自説を語っていました。

    「その(プライベートな)データが外に出た。(片山)副知事が誰かに見せたいう噂。それで彼(元県民局長)はえーとなって、今度、自民党さんとこ行って、百条(委員会)、今から証人、ようしませんと。(自民党は)『今さらおまえ何言うとるねん』なったわけです。それで彼は悩んだんです。それで……」

    AERA.dot

    掘井議員の発言の真偽は分かりませんが、渡瀬氏がプライベート情報の開示を恐れていたのは事実でしょう。

    その後、緊急理事会が開かれ、告発文とは無関係の資料について開示の要求をしないことが決議されたのですが、元県民局長の渡瀬氏は7月7日に亡くなっていました。

    報道では以下のようにいわれています。

    関係者によると、元県民局長は7日の昼過ぎに姫路市内の自宅を出たあとに行方がわからなくなり、親族が行方不明届を提出していましたが、市内の親族の家で死亡しているのが見つかりました。 自殺とみられ、遺書があったということですが、理由は今のところわかっていません。

    @カンテレ

    その後の報道で、渡瀬氏の遺書や音声データが残されていたことが分かっています。(記事後半参照)

    元西播磨県民局長の渡瀬康英が最後に残したコラム

    元西播磨県民局長の渡瀬やすひでさんが最後に県職員に宛てたコラムがありました。

    渡瀬やすひでさんのコラム要点

    • 我々は公務員であり、仕事は県民のためにするもの。昇任、出世は結果であって、それを目的にしてはいけない。
    • いろんな人生経験をすると思うが、「公務員として働きたい」という気持ちは持ち続け、初心を忘れないでほしい。
    • 同僚や上司、部下など関りを持った人達から感謝され「また一緒に仕事をしましょう」と言ってもらえる職員であってほしい。
    • 「人を大切にする」「義を通す」「誠実である」ことを心に持ち続けてほしい。
    • 理不尽な現実の壁に跳ね返されても諦めないでほしい。

      コラム全文

      〇おわりに

      このメッセージ欄は一般県民の皆さんの読者もいらっしゃるようですが、一方で、県職員の中にも何人かの愛読者がいるようです。

      自分は間もなく、県を退職します(予定)が、これから県を支えていく後輩の皆さんに最後に伝えておきたいことを書いておきます。

      我々は公務員です。仕事は県民の皆さんのためにするものです。自分のために、自分の栄達のために、仕事をしてはいけない。仕事を利用してはいけない。県民を利用してはいけない。

      そして、自分の損得勘定で行動してはいけない、人を選別してはいけない。昇任、出世は結果であって、それを目的にしてはいけない。

      仕事は楽しく、そのためには一生懸命、しんどいことも沢山あります。楽しい=楽(らく)では決してないです。でも、乗り越えた先にはきっと何かが待っているはず。

      これからもいろいろな人生経験をすると思います。病気などで働きたくても働けないという経験もするかも知れません。でも「公務員として働きたい」という気持ちは持ち続けてほしい。

      初心を忘れないで欲しいです。「働きたい」ということと「お金がほしい」ということは同じようで違います。

      生業としての公務員の側面を否定はしませんが、「給料が貰えるなら、仕事は二の次、三の次」という気持ちにすり替っては自分自身も周りの人達も悲しすぎます。

      同僚や上司、部下はもちろん、関わりを持った人達から「あなたと一緒に仕事が出来てよかった」、「また一緒に仕事をしましょう」と言ってもらえる職員であって欲しいです。

      自分自身の県庁人生は胸を張って威張れるものでは全然無くって、逆に思い返せば情けない恥ずかしいことの連続だったですが、後輩の皆さんには是非兵庫県を支えていって欲しい、そうお願いします。

      最後に、人を大切にすること、義を通すこと、誠実であることを、ひとりの人間としてずっと心に持ち続けて欲しいです。

      そして、筋を通そうとして挫けることがあっても、理不尽な現実の壁に跳ね返されても、諦めないで下さいね。「いつかきっと」と心に念じながら。

      素晴らしい人にたくさん出会えますように、県民の皆さんの心に残る仕事に出会えますように。長らくのご愛読ありがとうございました。お世話になりました。おわり。

      コラムおまけ:斉藤元彦知事含む管理職に宛てたメッセージか

      渡瀬康英さんの最後のコラムの一番下に管理職の立場にある方へのメッセージがありました。

      ○上に立つものの矜持(出来ているという訳ではないですよ、もちろん)
      手柄は譲り、責任は取る
      仕事に厳しく、人に優しく
      好き嫌いで人を選別するな
      人を育てる視点を失うな
      信用しない人は信用されない
      任せたら、待つ
      過去の自分と部下を比較するな
      来る者拒まず、去る者追わず(頼られたら応え、軽視されても怒るな)
      考え過ぎない(心配事の80%は起こらない。起きてしまう20%のうち80%は解決可能。つまり、全体の4%が本当に問題)
      管理職にある者の矜持(きょうじ)が書かれています。渡瀬康英さんは、このメッセージが斉藤元彦知事にも届くことを願っていたのでしょうか。

      矜持(きょうじ)とは、自分の能力を信じていだく誇り。プライド

      渡瀬康英さんが死亡したことに斉藤知事「非常に残念」

      7月10日元西播磨県民局長の渡瀬康英さん(60)が死亡したことを受け、県職員労働組合(県職労)が事実上、知事の辞職を求める申し入れ書を提出しました。

      その後の記者会見で斎藤知事は辞職を否定し、続投の考えを示しました。

      職員が死亡したことの責任は

       記者会見で職員が死亡したことの責任について問われて斉藤知事は次のように発言しています。

      「改めてお悔やみを申し上げる。百条委へのプレッシャーがあったと推察している。心理的なケアの準備を進め、本人と日程調整を進めようとしていた矢先だったので大変残念だ」

      渡瀬康英が残した陳述書と音声データ

      元県局長の渡瀬康英さんは百条委員会で発言する予定だった内容の陳述書のほか、知事が出張で訪れた兵庫県上郡町のワインについて「私も飲んでみたい」「折を見てお願いします」などと発言した内容を録音した音声データを残していたことが分かりました。

      上郡町は西播磨圏域にあたります。そのため、元西播磨県民局長だった時に渡瀬康英さんが録音した音声データなのでしょう。

      また、渡瀬康英さんは遺族に残したメッセージの中で、「死をもって抗議する。百条委員会は続けてほしい。」と書いてあったといいます。県幹部など齋藤知事の側近たちから告発を握りつぶされそうになったからでしょう。

      そして、この陳述書と音声データは渡瀬康英さんの妻がメッセージを添えて百条委員会に提出したことが分かっています。

      陳述書の内容

      渡瀬康英さんの陳述書の内容は、パワハラ行為の情報源や具体的な日時・場所について記したものでした。

      想定された問答として…
      【パワハラ行為についての質問】

      「『20メートル程歩かされただけで職員を怒鳴り散らした』という話は、いつ誰から聞いたか?」
      【元県民局長の回答】

      「去年の県民局長、県民センター長の懇親会の場で、県民局長から聞いた」

      【いわゆる“おねだり”についての質問】「『出張先での飲食は原則ゴチのタカリ体質、お土産必須』について、具体的な話はあるか?」
      【元県民局長の回答】

      「地元のワインが話題となった時に、『まだ飲んでないので、お願いします』などと催促した」

      @FNN

      斉藤元彦知事は改めて辞職否定

      7月16日の定例記者会見で、音声データの事実関係について斉藤知事は「詳細を承知していない。詳細が分かり次第、回答させていただきたい」と述べ、発言した記憶があるかどうかも明確にしませんでした。

      そして、自身の進退については「現下の状況でも県政を一つ一つ前に進めていくことが私の責務だ」と改めて辞職を否定していました。

      渡瀬康英(元西播磨県民局長)告発文をめぐる経緯

      元西播磨県民局長の渡瀬康英氏が兵庫県知事への告発文書をめぐる問題の経緯は以下のとおりです。

      3月中旬 当時、西播磨県民局長だった渡瀬氏が、斉藤元彦知事や県幹部の言動を「違法」「パワハラ」とする7項目の疑惑を記した文書を報道機関や県議らに郵送
      3月25日 県民局長わたせ氏が勤務する西播磨県民局に片山副知事と人事課長が乗り込み、県民局長の渡瀬氏のパソコンを押収
      3月27日 県人事課が西播磨県民局長の渡瀬氏を解任し、3月末での退職も認めないと発表。斉藤知事は会見で、文書内容は「うそ八百」などと批判
      4月4日 元県民局長の渡瀬氏が文書内容の一部について、県の制度に基づいて公益通報
      4月16日 県は文書に書かれた疑惑に関連し、原田産業労働部長が県内企業から高級コーヒーメーカーなどを受け取っていた事実を常任委員会で報告
      4月20日 県民生活部総務課のパレード担当課長が死亡
      5月7日 県が「文書の核心的な部分が事実ではない」などとして元県民局長わたせ氏を停職3カ月の懲戒処分に、産業労働部長の原田剛治さんを訓告とすると発表
      5月21日 県議会が斉藤知事に第三者機関による疑惑の真偽の再調整を要請し、知事が設置を表明
      6月13日 県議会が7項目の疑惑を調べる百条委員会を設置
      6月27日 百条委が7月19日に元県民局長の渡瀬氏を証人尋問すると決定
      7月頃 百条委での証人尋問にあたり、維新の岸口県議と増山県議が告発内容とは無関係の私的な情報の提出を求めているとして、渡瀬氏がプライバシーの保護を求める
      7月7日 元県民局長の渡瀬康英さんが死亡
      7月8日 緊急理事会で告発文とは無関係の資料について開示の要求をしないことを決議
      7月12日 片山安孝副知事が辞職表明、今月末で退任
      7月31日 若者支援策担当の小橋浩一理事が24日付で体調不良を理由に異動願を提出、準特別職から部長職に降格し、総務部付となる
      7月31日~8月14日 告発文に関する全職員アンケート実施
      8月19日 7月30日に体調不良で異動願を提出し病欠中だった井ノ本知明総務部長が総務部付となる
      8月23日 斎藤知事のパワハラ疑惑について百条委が県職員に対する初めての証人尋問を実施
      8月30日 百条委に斉藤知事が出頭
      9月5日 百条委に原田産業労働部長が出頭。前総務部長の井ノ本氏は体調不良などを理由に欠席。原田氏の証言に誤り判明
      9月6日 斎藤知事、片山元副知事、原田部長の証人尋問
      9月19日 斎藤知事への不信任決議案が可決
      9月30日 斎藤知事が失職

      元県民局長の渡瀬氏が亡くなった7月7日以前に緊急理事会が7月8日に開かれることが決まっていました。

      そして、7月19日に百条委員会が開かれ、元県民局長の渡瀬氏から証人尋問する予定でした。

      百条委員会が全職員約9700人を対象に7月31日~8月14日までアンケート調査を実施し、約6700人(約7割)が回答しています。

      8月5日までに回答があった4568件(約47%)を中間集計したところ、知事のパワハラを目撃したり、人から聞いたりしたという回答が約4割に上っています。

      百条委員会は8月23日、パワハラ疑惑を中心に関係職員6人への証人尋問を非公開で開催しています。そして、8月30日百条委員会は斎藤知事を公開で証人尋問しました。

      9月19日斎藤知事への不信任決議案が可決し、9月30日斎藤知事は失職しています。

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